カイヤナイトインクォーツ ブラジル産 9.07ct16.8x13mm前後

カイヤナイトインクォーツ

クォーツ（水晶）のなかに、カイヤナイトの柱状結晶を含んだルースです。
カイヤナイトは独特な藍色の結晶が美しい宝石です。ギリシア語で暗い青を意味する「Kyanos」が由来とされています。和名は「藍晶石（らんしょうせき）」。そのどちらからもわかりますが、カイヤナイト＝青い宝石というイメージが先行します。実際、産出されるカイヤナイトの多くがブルーです。

ブラジルやアメリカ、ミャンマー、スリランカなどで産出しますが、レアカラーとして、例えばタンザニア産の原石はブルーの色帯を含んだグリーンの原石が産出します。このブルーの部分を含まず濃く美しいグリーンとなると非常に少なく、希少です。
また近年マンガンを含むことにより鮮やかなオレンジに発色したカイヤナイトも発見され話題になりました。2009年のツーソンジェムショーで初めて紹介されたこのオレンジ色のカイヤナイトは2007年にタンザニアで発見された希少カラーです。
カイヤナイトは結晶の成長方向と同じ向きに完全な劈開性があります。さらにその劈開と交差する方向にもやや不完全な劈開があるため、一方は直線状に割れ、その先端の断面はギザギザになるという非常に扱いにくい宝石です。
この方向によって極端に異なる結晶の硬度の差がカッティングのしにくさにつながり、カイヤナイトの美しいカットルースを希少なものとしています。
また、カイヤナイトヨーロッパの宗教画で特別なブルーの鉱物顔料として使われていました。ラピスラズリに代表されるような鮮やかなブルーとことなり、カイヤナイトはいわゆる『沈んだブルー』に分類されていますが、この他の顔料にはない落ち着いた色合いに希少価値を感じた当時の人々は、カイヤナイトから作られた顔料をマリア像の衣服や天上世界の色に使用しました。
ちなみに…

ヨーロッパでは希少とされたこの落ち着いたブルーは、日本では和名から推察できるように藍色と呼ばれています。日本には世界に誇る藍染の文化があります。そのため、日本は西欧諸国から『藍の国』と呼ばれていたそうです。
※ルース表面の状態に関しましては【サイズ（採寸）情報】をご覧ください。

こちらの商品は、現品販売です。画像の商品を専用ケースに入れてお届けいたします。