コンドライトってどんな石?
太陽系誕生の秘密を知る隕石
石でできた「石質隕石」のうち、コンドリュールという珠状の結晶がみられるものを「コンドライト(球粒隕石)」とよびます。
コンドリュールは、太陽系が誕生したころに宇宙をただよっていたっていた塵のつぶが溶けてしずくとなったものです。
コンドライトは、46億年前の太陽系ができた当時の姿をとどめている隕石で、太陽系の歴史を探る貴重な手掛かりを秘めています。
いわばコンドライトは、太陽系誕生のいきさつを現代の私たちに語り聞かせてくれる「宇宙の語り部」ともいえる隕石なのです。
なお、太陽はもともと宇宙の塵が集まってできたものですので、コンドライトとは大きさや姿が異なるだけでほぼ同じ組成を持っています。
極端なことをいえば、太陽の一部を切り取って冷やせばコンドライトとほぼ同じものができるというわけです。
コンドライトの原石には、指で押したようなくぼみ(レグマグリプツ)がみられ、表面には落下時の空気との摩擦熱で溶かされた黒いガラス膜(フュージョンクラスト)があります。しかし、内部は灰色や茶色で、小さな鉄の粒が光って見えることがあります。
わずかに鉄を含んでいるため、少し磁力があることも特徴です。
パワーストーンとして流通しているコンドライトは、ほとんどがサハラ砂漠で発見された「サハラNWA869隕石」とよばれるものです。
これはなんと、火星からやってきた隕石だといわれています。13億年前に火星に隕石が衝突した際に火星の地中にあった岩石が宇宙へ弾き飛ばされ、それが地球に到達したものだということです。
こうした火星由来の隕石は「火星隕石」ともよばれており、ほかにもインドや南極などで発見されています。
コンドライトに伝わる意味
確固たる意志をもたらす
太陽系誕生の記憶をもつコンドライトには、宇宙の叡智が秘められています。
内側からあふれ出すような強大なエネルギーによって、持ち主の精神を向上させ、意志の強化や自己の確立をもたらすとされるストーンです。
持ち主に活力や自信を与え、目標の達成に向けて着実に前進していく勇気と行動力をもたらすとされています。
また、インスピレーションを高め、内なる潜在能力を開花させるともいわれています。
コンドライトの歴史・言い伝え
落下した正確な年代のわかる世界最古のコンドライトは、日本の福岡県直方市に落下した「直方隕石」です。
日本では平安時代初期にあたる西暦861年4月7日の夜、辺り一面が突然昼間のようなまばゆい光に包まれたかと思うと激しい爆発音が響き、翌日土の中から黒く焦げた隕石が発見されました。
この隕石は、天から飛来した石として地元に人々に大切に守られ、落下した地点に建つ須賀神社の御神宝として現在も伝わっています。
直方隕石が収められた桐箱には落下の日付が書かれており、その箱もまた科学的な分析により平安時代のものと判明していることから、この伝説が正しかったということが証明されています。
直方隕石は長い間地元の人々だけが知る宝物でした。しかしこの話が地元のラジオ局で放送されたのをたまたま聞いた方が国立科学博物館の村山定男博士に報告したことで調査が行われることになり、1981年にこれがコンドライトであることが判明したということです。
こんなプレゼントにおすすめ
仕事のお守りに
コンドライトは、目標に向けて着実に前進していく行動力や、問題に立ち向かうための強い精神力をもたらすといわれています。
仕事などで大きなプロジェクトに挑戦するときや、長期的な目標に向けて頑張りたいときなどのお守りにおすすめです。
自分に自信をもちたいときに
周囲の意見やできごとに左右され、自分がどんな人間なのか、何をしたいのかということが分からなくなってしまうことはないでしょうか。
コンドライトはそんな気持ちのブレを抑え、自分自身の軸を確立するのを助けてくれるとされるストーンです。
自分に自信を持ちたい時、自分の本当の気持ちに向き合いたいときに、この石をお守りとして持つとよいでしょう。
コンドライトのカラー・種類
石でできた「石質隕石」は、コンドリュールを含む 「コンドライト(球粒隕石)」と含まない「エコンドライト(無球粒隕石)」にわけられます。
また、コンドライトの中でも鉄や酸素の割合などによって細かな分類があります。
コンドライトの原石は、表面は1mmほどの黒いガラス質の膜で覆われているため、見た目は焼け焦げたような色をしています。
しかし、内部の色は灰色や茶色ですので、コンドライトを削って加工したものはこうした色合いになります。
コンドライトの産地
地球に落下する隕石の80%以上が、コンドライトだといわれています。
コンドライトは世界各地で発見されていますが、パワーストーンとして販売されているもののほとんどはサハラ砂漠産のものです。
取り扱い・お手入れについて
コンドライトには水に弱い鉄分などが含まれているため、水洗いは避け、汗などで汚れた時は乾いた柔らかい布でふき取るようにしてください。