山梨黒水晶の特徴や意味、歴史などを調べられます。

山梨黒水晶ってどんな石？

幻の国産黒水晶

日本最大のジュエリーの産地として有名な山梨県。そのルーツは、かつて水晶峠・竹森・倉沢山・向山・乙女鉱山・八幡山・黒平など数々の鉱山から水晶が産出され、その研磨・加工技術が発達したという歴史にあります。
明治時代には採掘・加工の最盛期を迎え、国内外で名をはせた山梨県産の水晶ですが、大正時代にはそのほとんどが掘り尽くされ、鉱山はすべて閉山されてしまいました。
そのため、山梨産の水晶は、市場にほとんど流通しておらず、稀少性が年々高まっています。

黒水晶は、水晶が花崗岩などから発せられる自然界の放射線によって黒色に発色したものです。
国内では良質な黒水晶はほとんど産出しないため、山梨黒水晶は非常に希少な天然石といえます。

山梨黒水晶に伝わる意味

強力な「破邪」の力

黒水晶は、最も強力な魔除けの石の一つとして知られています。邪悪なものを払いのける「破邪」のパワーにより持ち主を守護するとされ、古くから世界各地で様々な儀式に用いられてきました。
また、後ろ向きな考えや妄念を打ち消し、精神の安定をもたらすといわれています。

石は生まれた土地の「気」を宿すと言われているため、同じ日本の風土で育った山梨黒水晶のエネルギーは日本人にとってよりなじみやすく、相性が良いと考えられています。

山梨黒水晶の歴史・言い伝え

悠久の年月が生み出した漆黒の輝き

山梨県の水晶の歴史はとても古く、甲府市の黒平遺跡群では約２万年前の旧石器時代に水晶の石器が使用されていたことが明らかになっています。

鎌倉時代の末期から南北朝の時代ごろになると、数珠を作るために甲斐の水晶原石を京都に取り寄せて加工することが盛んになり、京都で水晶を研磨する技術が発展しました。
古くから水晶原石を多く産出してきた山梨ですが、本格的な水晶工芸が始まったのは、江戸時代後期になってからです。
京都から原石を買いに訪れた「玉屋」の番頭の弥助が金櫻神社（かなざくらじんじゃ）の神官などに研磨技術を教えたことがその始まりとされ、現代まで続く宝飾産業の礎となりました。

江戸時代以前には水晶の採掘に厳しい統制がありました。しかし明治時代になると国内外で需要が高まり、自由に採掘することが認められたことで山梨の水晶は採掘の最盛期をむかえ、水晶の加工技術もますます発展しました。
ところが、大正時代には水晶がほとんどとり尽くされてしまいます。
こうして数多くあった山梨県の水晶鉱山はすべて閉山してしまい、いまや山梨県産の水晶は非常に貴重なものとなってしまったのです。

また、山梨県の甲府盆地一帯には1500万年前～700万年前の花崗岩体が広がっており、花崗岩が放つ放射線をうけて生成された良質な黒水晶の産地でもあります。
かつては国内では岐阜県の蛭川村や中津川市も黒水晶が産出する場所として知られていましたが、現在ではほとんど採掘されることがなく、国産の黒水晶は大変希少となっています。
また、古い地鎮（土地を清めること）の作法では、敷地の北に黒水晶を埋めることがあり、奈良の興福寺から発掘された8世紀の地鎮の呪具のなかにも「黒水晶玉（国宝）」が含まれています。こうしたことからも、黒水晶が古くから浄化の力をもつ神聖な石と考えられていたことがわかります。

こんなプレゼントにおすすめ

「厄除け・魔除け」のお守りに

あらゆるマイナスなエネルギーを払いのけるとされる黒水晶は、持ち主を災難から守ってくれるとされています。
また、黒水晶は身に着けるだけでなく、部屋など置くことでも空間が清められるといわれています。
厄年や、よくない出来事が続いているときなどに悪運を断つお守りとしておすすめです。

山梨黒水晶のカラー・種類

山梨黒水晶は自然界の微量な放射線によって水晶が黒く変色したものです。
天然のものですので、部位によって黒色が濃い部分と薄い部分の濃淡があります。

山梨黒水晶の産地

山梨県の黒平（くろべら）などの鉱山から産出しましたが、現在では閉山しています。

取り扱い・お手入れについて

黒水晶は退色することがありますので直射日光に晒されてしまう場所での保管は避けて下さい。
汚れが目立つ時は流水で洗っても良いですが、しっかりと水分を拭き取って自然乾燥してあげましょう。