ジェット (Jet)
ヴィクトリア女王が長年にわたって愛用した、モーニングジュエリーの代表ともいえるジェット(黒玉)。
旧石器時代から人々に用いられていた、歴史の長いパワーストーンです。
ジェットってどんな石?
数少ない有機質のパワーストーン
ジェットは、長い年月を経て海底で生まれた木の化石です。
海底に沈んだ樹木が、圧縮されて炭化し化石となったもので、古くでは琥珀(樹液の化石)の一種だと考えられていました。その名残からか「黒琥珀」とも呼ばれています。(本来の和名は「黒玉」)
「木が炭化した」という言葉のとおり石炭のような性質です。石炭より硬度は高いものの、原石は石炭のようにも見えるため、このままで美しいと感じる人は少ないかもしれません。しかし磨き上げることで、独特の美しい光沢を持つようになり、まさに古くから「漆黒の宝石」として身に付けられていたことにも納得がいきます。
ジェットはイギリスのヴィクトリア女王が愛用した宝石としても有名です。
古くからジェットが宝石としても愛されていた理由は、「美しく、軽い」ためでしょう。前述の通り美しさもさることながら、木の化石であるため他の宝石より軽く、扱いやすかったことも注目されたようです。
ジェットに伝わる意味
魔除けの力を持つ
ジェットは、魔除けや旅の護衛の力があると信じられているため、古くから故人を追悼する装身具としても身に付けられていました。
人や物から悪い干渉を受けないようにサポートしてくれるとされ、人生が良くない方向へ進んでしまうことを防いでくれると伝えられています。
お仕事や人間関係においても、悪い影響を受けてしまうことなく、「自分らしくありたい」と願う人の力になってくれるパワーストーンです。
ジェットの歴史・言い伝え
モーニングジュエリーとして
ジェットの持つ歴史は古く、旧跡時代から人々に愛用されてきました。
もとが木であるジェットは、燃やすことで独特の黒煙をあげることから、特殊な力が宿るとされ、魔除けのお守りや装飾品として用いられてきたようです。
ジェットの有名なエピソードとして、19世紀のイギリスにおいて、ヴィクトリア女王が長年愛用していたことが伝えられています。夫のアルバート公が亡くなられた際、彼女はジェットを加工したモーニングジュエリーを身につけたそうです。
モーニングジュエリーとは葬儀の際に着用するジュエリーのことを指します。
それからヴィクトリア女王が20年以上にわたってジェットを身につけていたと言われています。彼女は当時、ファッションリーダーとしても有名であったことから、ジェットは瞬く間に世界中で知名度が高まっていったようです。そのため、古くから人々の歴史に登場していたジェットですが、100年ほど前に一時的に原石が枯渇して幻の宝石と言われるようになりました。
現在では、ビーズ加工などで流通しているジェットですが、最上質なものは原石が枯渇していることからほとんど出回っていないようです。
こんなプレゼントにおすすめ
魔除け・厄除けのお守りに
ジェットは古くから魔除けの力が宿ると信じられています。
旅行の安全を願ったり、厄年のお守りとされるのもオススメです。
ジェットのカラー・種類
ジェットは真っ黒の天然石で、比較的マットな質感です。
木の化石なため、他の天然石より明らかに軽いのも特徴です。
ジェットの産地
ジェットはアフリカ、アメリカ、中国などで産出されています。
取り扱い・お手入れについて
ジェットは硬度が低いため、衝撃に弱いのでぶつかったり、擦れたりしないように取り扱いに注意してください。また水分や汗にも弱いので、着用時などは汚れをしっかり拭いてあげるようにしましょう。