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アイアンメテオライト（鉄隕石）は、その名のとおり鉄などの金属からなる隕石。鉄質隕石、あるいは隕鉄と呼ばれることもあります。

地球で発見される隕石の多くは、かつて火星と木星の間を漂う小惑星の一部でした。
小惑星は形成の過程から、中心付近の核と表面付近の地殻で成分が異なります。核は主に鉄、地殻は岩石です。
鉄隕石は、衝突などで粉砕された小惑星の核部分が、地球に飛来したものなのです。

重さや見た目が地上の石と違うため、隕石だと判別しやすいのが特徴。加工すると、地球上の鉱物には存在しない「ウィドマンシュテッテン構造」が現れるものもあります。

発見地にちなんだ固有名で呼ばれることがあり、有名なものに「ギベオン隕石」や「ホバ隕石」、「カンポデルシエロ隕石」などがあります。

大きなエネルギーによって生まれ、遠い宇宙からやってきた隕石。
古来、人々は天から降ってくる石に、神秘や畏怖を感じたことでしょう。

このような来歴から、隕石は変革や知恵などの意味をもつといわれています。
手にして大宇宙に思いを馳せれば、自身をより良く変える力を与えてくれるかもしれません。

製鉄技術が発展するより前、人類は鉄隕石（隕鉄）を利用して道具などを作っていました。
権力者が利用した例もあり、かのツタンカーメン王の墓からは、鉄隕石で作られた短剣が発見されています。
古代エジプトでは、空からやってきた鉄隕石には神秘的な力があると考えられたのかもしれません。

実は日本にも、鉄隕石で作られたものが存在します。
明治の政治家・榎本武揚は、ロシア皇帝が所持する鉄隕石製の刀に感動し、自身でも鉄隕石を使った刀を作らせました。
その名も「流星刀」。四振り作られたうちの一振りは、当時の皇太子（のちの大正天皇）に献上されたそうです。

大昔に誕生し、宇宙という未だ謎の多い場所からやってきた隕石は、遥かな過去と未来の両方に興味を掻き立てる存在。
ロマンを愛する人に、あるいは、宇宙に惹かれる人への贈りものにおすすめです。