パワーストーンの正体がわかる!鑑別書のヒミツ
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パワーストーンを見ただけで、その名前をいい当てることはできますか?石に詳しい人であれば、見た目からでもなんとなく推測できるかもしれません。
でも、その石が全くの天然のものなのか、人の手で何らかの加工処理が施されたものなのか…なんてことまでは、なかなかわかりませんよね。
石のことを正確に知るためには、専門の機関で科学的に検査することが必要になってきます。そこでは石の身分証明書のようなものが発行され、石の正体が明らかになるのです!
さて、突然ですが問題です。正しいのはどちらでしょうか?
1.水晶を“鑑定(かんてい)”する
2.水晶を“鑑別(かんべつ)”する
正解は……
2.の鑑別(かんべつ)です!!
鑑定書(かんていしょ)と呼びがちですが、これらはまったく違うものですので、覚えておきましょう!
鑑別と鑑定の違いとは?
・鑑別(かんべつ)書とは
鑑別というのは、石が何でできているか、どんな加工処理が施されているか(もしくは無処理か)といったことを科学的に分析することです。
鑑別書はその分析結果の報告書で、石の正式な鉱物名や、天然のものかどうかなどが記されています。
石の品質などに関しては鑑別では判定されません。
・鑑定(かんてい)書とは
一方鑑定というのは、ダイヤモンドの品質(グレード)を判定することで、カラット(重さ)・カラー(色)・クラリティ(透明度)・カット(研磨)という“4C” の基準から評価されます。
ダイヤモンド以外の石は鑑定の対象外なのです。
鑑定書はその評価結果の証明書でダイヤモンド・グレーディング・レポートともよばれています。
鑑定と鑑別という2つの言葉はよく似ていますが、意味や目的がまったく違うものです。
ちなみに、ダイヤモンド以外の石の鑑定書は発行できませんが、ダイヤモンドは鑑定書と鑑別書の両方を発行することができます。
鑑別書を見てみよう
鑑別機関に石の鑑別を依頼すると、分析結果を記した鑑別書が発行されます。
そこには、目で見ただけではわからない石のさまざまな情報が記されています。
なんだか難しそうですが、見方が分かればその石のことを知るのにきっと役立つはず!
そんな鑑別書の中身をちょっとのぞいてみましょう♪
・鑑別書に書かれていること
※日本彩珠宝石研究所発行の鑑別書の場合
項目 | 記載されている内容 |
1.鉱物名 | 鉱物学上の正式な名前です。 一般的なパワーストーンや宝石としての流通名とは異なります。 例)水晶 ⇒ クォーツ |
2.宝石名 | 一般財団法人宝石鑑別団体協議会(A.G.L)が定める宝石名です。 例)水晶 ⇒ ロック・クリスタル 宝石名の下には、加工処理の概要(どのような目的のためにどのような処理が行われているか)が記載されます。 |
3.色相・透明度 | 色や透明度のほか特徴的な模様などがあれば記されます。 |
4.カット形状 | ラウンド・ビーズ、カット・ビーズなどの形状が記されます。 |
5.重量 | 石の重さがct(カラット)で表示されます。※1ctは0.2g |
6.摘要 | ルース(裸石)なのかブレスレットなのかといった状態や、その他の特徴が記載されます。 パワーストーンとしての流通名が記載されることもあります。 |
7.屈折率 | 光の屈折(光が空気中から石の内部に入るときに角度を変えてすすむ現象)の度合いを屈折計で測定した数値です。 宝石ごとに異なる数値があり、石の種類の特定の手がかりになります。鑑別の上で最も重要な検査です。 |
8.偏光性 | 偏光器を使って、石に入った光が屈折する際の進み方をみます。 光の経路が1本なら単屈折性、分かれていれば複屈折性です。 |
9.多色性 | 見る方向によって色が異なって見える性質があるかどうかをみます。 |
10.比重 | 同じ体積の石と水の重さを比較することで石の密度を求めます。 |
11.硬度 | 基本となる10段階の硬さをもつ石(モース硬度計)を使い、対象の石をひっかいて硬さを計ります。 石に傷をつけることになるので必要な場合以外行われません。 |
12.蛍光性 | 紫外線をあてたときに色が変わってみえる性質があるかをみます。 |
13.分光特性 | 分光器を使い、石が光をどのように吸収・透過するかを計測します。 |
14.拡大検査 | 高性能な顕微鏡を使い、肉眼では見えない内包物や傷などを観察します。 |
15.フィルターの検査 | カラーフィルターを使って石の色を見る検査で、種類や染色の有無などを判定します。 |
7より以下の項目は、検査が実施されたものに印がつけられます。
・鑑別書に書かれていないこと
先に書いたとおり、鑑別書は石の品質を証明するものではありません。
また、本物か偽者かの判定が書かれているわけではありません。
それは、石は加工処理の度合いによって本物と偽者の線引きがはっきりできるものではないからです!
確かに、鑑別によってその石が天然のものか人の手で加工処理が施されたものかということはわかります。
しかし、どこまでの処理が許容できるか、どこまでを本物と考えるかという基準は人それぞれです。
石が本物かどうかを鑑別書によって知りたい方は、自分のなかでの本物の基準を定めてから鑑別書を見てみてください。
ただし、お店で石の種類や加工処理の有無が偽られて販売されていた場合は、表示に嘘があるという意味で偽者といえるでしょう。
鑑別機関に依頼して取り扱う石の鑑別を受けているかどうかは、信頼できるお店を判断するひとつの材料となります。
Pascleのパワーストーン鑑別について
Pascleでは、少しでもお客さまに安心していただきたいという思いから、日本彩珠宝石研究所に依頼してパワーストーンの鑑別をとっています。
新たな種類の石が入荷したときなどには必ず、その連のなかからランダムに石をピックアップして鑑別に出すようにし、その鑑別書を公開しております。
それぞれの石の鑑別書についてはPascleホームページ上の各商品ページや、鑑別書のページでご覧ください。
鑑別の際に石に傷をつけたり粉砕したりすることもありますので、お客さまのもとには鑑別に出した石そのものが届くわけではございませんが、鑑別結果のでた石と同仕入先のものをお届けします。
また、鑑別ではわからない石の品質についてもPascleのなかでの基準があります。
それぞれ一粒ずつ、各担当者が入荷時・商品制作時・検品時・梱包時に何重にもチェックし、色の不良・形状の不良などがある石は取り除いています。
パワーストーンは天然のものなので多少の傷は仕方ないといわれていますが、少しでもお客さまにご満足いただくために、Pascleではできるかぎり美品をご用意するよう努めております!
もし品質にご満足いただけない場合は返品・交換等も対応しておりますので、ご遠慮なくお申し付けください。
鑑別を依頼したいときは?
「鑑別書がほしいけど、どうしたら発行してもらえるの?」 …そんなときはPascleにお任せください!
石をご購入の際にお申し付けいただけましたら、Pascleがお客さまに代わって鑑別機関に依頼し、石と鑑別書を併せてお届けいたします☆*
鑑別書が発行されるまでの期間は、およそ7日から10日ほどです。
一粒からでも承りますので、お気軽にご相談ください^ ^
おわりに
石の名前や、どんな加工処理が施されているのかといったことは、見ただけでははっきりとはわかりません。
それを正しく知るための手だてが鑑別です。
鑑別は、その石の本質を知るために必要不可欠なものなのです。
Pascleでは、お客様に安心してご利用いただくために、これからも定期的に石の鑑別を行ってまいります。
新しく扱う石が増えていくにつれて、公開している鑑別書もどんどん増えていきますのでときどきチェックしてくださいね♪
天然石・パワーストーンブランド Pascle
パスクルは、天然石やパワーストーンの歴史・文化・魅力を届けるブランドです。「一期一会の飾るで彩りを」をコンセプトに、天然石の個性をさまざまな形で伝えるべく、価値ある情報を発信しています。