アンモライト7,000万年の地球の営みが生んだ北米先住民のお守り
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アンモナイト化石のなかで、唯一「宝石」として認定されたアンモライト。イリデッセンス効果で、さまざまな色彩が煌めく化石の宝石です。
七色に光輝くアンモライトは、アンモナイトの化石から生まれた宝石です。
カナダ・アルバータ州周辺の火山灰に埋もれ、時間をかけて虹色に輝くようになったアンモライトは、かつて北米の先住民が神秘的な象徴として、大切に携行していた奇跡のストーンともいわれています。
アンモライトはどのような経緯で生まれ、先住民のお守りとなったのでしょうか。その秘密に迫ります。
絶滅したアンモナイト
今から2億年前にあたるジュラ紀の時代。
現在の北アメリカに該当する場所には、大陸に囲まれた広大な内海が広がっていました。そこではアンモナイトが繁栄していましたが、約7,000万年前の中生代の終わりに恐竜とともに絶滅。その殻は海底に堆積しました。
度重なる地殻変動と気温の変化によって太古の海が後退し、周辺の火山活動が活溌に。やがて、アンモナイトの殻は火山灰に埋もれ、長い眠りについたのです。
化石から宝石への変質
本来のアンモナイトは、化石となる過程で、殻を構成するアラゴナイトがカルサイトやパイライトに変質します。これではイリデッセンス効果を得られません。
しかしアンモナイトを覆った火山灰が長年の風化により、ベントナイトという粘土鉱物を主成分にした岩石に変化。化石の進行を和らげてカルサイトへの変質を防ぎ、光を放つアラゴナイトを保護しました。
色と輝きの秘密
緩やかな化石化によって、アラゴナイトの構造が変わりました。キチン質と呼ばれる甲殻類の殻の成分とアラゴナイトが、重なり合うようになったのです。
これらの層に光があたると波長が変化し、光の屈折によって、幻想的な輝きを見せます。これがイリデッセンス効果です。つまり、火山灰に覆われたことで、アンモライトが生まれたのです。火山活動がなければ普通の化石・アンモナイトのままだったでしょう。
アンモライトは、いくつもの偶然が積み重なって生まれた奇跡の宝石といっても過言ではありません。
アンモライトの産出場所
アンモライトが見つかった場所は、カナダ南部のロッキー山脈東部、セント・メリー河付近です。ここで産出される虹色に輝くアンモナイト化石だけが、アンモライトの名を冠することができます。
カナダ・アルバータ州の厳格な化石遺産法のもとに管理され、宝石に適したものは全体の5％しかないそう。希少価値が高いのもうなずけます。
生物由来の化石では唯一の宝石
世界の各地でも、イリデッセンス効果のあるアンモナイト化石は見つかっています。しかしオパール化していたり、色艶や強度が不足していたり。アルバータ州で産出されるアンモライトほど、人目を引く美しさはありません。
1981年、CIBJO（国際貴金属宝飾品連盟）において、アンモライトは宝石と認定されました。宝石に位置づけられた生物由来の化石は、アンモライトだけなのです。
語り継がれる伝説
深い雪から姿を現した虹色の輝き
オーロラのように光輝くアンモライトは、カナダの先住民によって発見されました。この石には、ネイティブたちに語り継がれてきた伝説があります。
季節は凍てつく冬。バッファローの姿が見えず、彼らが飢えに苦しんでいたときのこと。どこからともなく声が聞こえてきました。「木の下に埋もれている石を持ち帰りなさい。その石は病を癒し、生きるのに必要な糧を与えてくれるでしょう」と。
声に従い、部族の少女がゆっくり雪をかき分けると七色に輝く美しい石が現れました。そして石を持ち帰った翌日。白銀の草原には、まるで石が呼び寄せたかのようにバッファローの群れが現れ、一族は救われたのです。
ネイティブたちが託した想い
この出来事以降、幸運や強い力をもたらす石として、彼らはバッファローの皮で包んだアンモライトを持ち歩くようになりました。彼らの貴重なお守りは「バッファローストーン」と呼ばれ、今でも大切にされているそうです。
私たちもアンモライトのルースを身につければ、強力な幸運が訪れるかもしれません。明るい未来を描きたい人は、手に入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
鉱物学上、類のない化石宝石・アンモライト。
地殻変動を耐え、緩やかに流れる時間によって虹色の輝きを手にしました。宝石として現代によみがえった生物に、歴史とロマンを感じずにはいられません。
光の当て方や角度によっても色が大きく変わります。コレクションとしても楽しめること請け合いです。
天然石・パワーストーンブランド Pascle
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