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宗派によって違う!7種類の数珠|パワーストーン・天然石に関するコラム記事

宗派によって違う!7種類の数珠

宗派によって違う!7種類の数珠

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あなたのお家の宗派は何ですか?
たとえ仏教を特別に信仰してるわけではなくても、多くの家には先祖代々の宗派があります。

日本のお葬式の8割は、仏教式で行われるそうですが宗派によってお葬式の作法や、お墓・戒名・仏壇などのしきたりが大きく違います。
最近ではお葬式をきっかけに初めて自分の家の宗派を知るという人も多いようです。

数珠の形にもまた、宗派ごとの決まりがあります。
現在では宗派共用の略式数珠を使用する人が多いようですが、本来はそれぞれの家の宗派の本式数珠を持つことが理想とされています。

ご自身の正式な数珠についても、ぜひ知っておきましょう!

目次
  1. 宗派とは?
  2. 自分の家の宗派を知りたいときは?
  3. 各宗派の特徴と本式数珠
  4. 天台宗
  5. 真言宗
  6. 浄土宗
  7. 浄土真宗(本願寺派・大谷派)
  8. 臨済宗・曹洞宗
  9. 日蓮宗
  10. 終わりに

宗派とは?

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仏教はもともとインドのお釈迦様(ゴーダマ・シッダールダ)が説いた教えです。
しかしお釈迦様が亡くなると、教えについての解釈の違いによって教団が分裂していきました。これが宗派のはじまりです。

日本にもいくつかの宗派が伝わりましたが、その過程でもさまざまなアレンジが加えられ、日本独自の宗派も誕生しました。
現代まで続いている日本の伝統的な仏教の宗派は13宗派あります。

そのうち、代表的な8つの宗派
・天台宗(てんだいしゅう)
・真言宗(しんごんしゅう)
・浄土宗(じょうどしゅう)
・浄土真宗本願寺派(じょうどしんしゅうほんがんじは)
・浄土真宗大谷派(じょうどしんしゅうおおたには)
・臨済宗(りんざいしゅう)
・曹洞宗(そうとうしゅう)
・日蓮宗(にちれんしゅう)
を「日本八宗」といいます。

自分の家の宗派を知りたいときは?

「自分の家の宗派が分からない!」という方や「そもそも自分の家に宗派なんてないのでは?」という方は、以下のことを試してみて下さい。

1.親や親戚に聞く
これだけで意外と簡単に解決する場合も多いです。

2.家にお仏壇やご位牌などがあれば確認する
具体的な特徴についてはここでは省略しますが、お仏壇は宗派によってご本尊や飾り付けのお仏具などが違います(例:ご本尊が大日如来なら真言宗)。
またご位牌は戒名などの形式や書き方などに宗派ごとの違いがあります(ただし浄土真宗の場合位牌はありません)。

3.お墓のある場所を調べる

先祖のお墓がお寺にある場合は、そのお寺があなたのお家の菩提寺(ぼだいじ)です。
そのお寺の宗派が、家の宗派となります。

お墓が霊園にある場合でも、宗派が限定されていることがありますので確認してみて下さい。
また、先祖の墓石に刻まれた文字や戒名などで宗派が分かることがあります(例:墓石の上の方に「妙法」とあれば日蓮宗)。

なお先祖代々の宗派とは別に希望する宗派があれば、自分自身で宗派を決めることもできます。その場合は新たにその宗派のお寺の檀家になることになります。

各宗派の特徴と本式数珠

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数珠はもともと念仏を唱えた回数などを数えるのに使われていました。
宗派によって数珠の形が違うのは、教えや数珠についての考え方に違いがあるからです。
あなたの家の宗派の数珠はどれでしょうか?

天台宗

特徴…宗祖は最澄(伝教大師)。総本山は比叡山延暦寺(滋賀県・京都府)。ご本尊はお釈迦様や薬師如来など。

法華経(ほけきょう)の教えや密教・禅・戒律などの教えを総合的に実践し、仏教の真理を極めることを目指します。
人はもちろん草や木など、ありとあらゆるものが仏になることができると考えられています。

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天台宗の数珠

数珠…108珠の数珠を二重にして使います。
主珠はそろばん珠のような形の平玉を使うことが特徴です。
房には弟子玉(20個の平玉と10個の丸珠)と露珠(つゆだま)がついています。
念仏などを唱えた数をたくさん数えるのに適した形となっています。

真言宗

特徴…宗祖は空海(弘法大師)。総本山は高野山金剛峰寺(和歌山県)。ご本尊は大日如来など。

大日如来を宇宙の根本原理そのものと考え、大日如来と一体化することを目指して修行します。
空海が唐(現在の中国)で学んだ密教の教えに基づく宗派です。

※密教…大日如来による秘密の教え。この世で仏の恵みを得る(現世利益)ために、呪術的な祈祷や修行を行う。
真言宗を東密(とうみつ)、天台宗の密教を台密(たいみつ)とも呼ぶ。

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真言宗の数珠

数珠…108珠の数珠を二重にして使います。
親玉は2つで、房には弟子珠(5つずつ、合計20個)と露珠がついています。

親玉から数えて7個目と21個目に四天(してん)という小さい玉がついています。これは真言等を7回、21回…と数えながら唱えるためです。

※真言…仏などをたたえる呪文のような言葉(古代インドのサンスクリット語がもとになっている)。
真言宗で特に重視され、儀式や修行に取り入れられている。



浄土宗

特徴…宗祖は法然。総本山は知恩院。ご本尊は阿弥陀如来など。

阿弥陀如来の名をひたすら唱える念仏によって、死後に阿弥陀如来の救いによって極楽浄土に生まれることを目指します。

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浄土宗の数珠

数珠…一般の信徒が使用する日課数珠(二連数珠、環貫数珠)は、2連の小型の数珠が輪違いに組み合わさり、その片方に房のついた金属製の2連の輪が通っている特殊な形をしています。

二つの輪を繰り、金属の輪を動かしながら唱えた念仏の数を数えます。男性用数珠では3万回、女性用数珠では6万回の念仏を数えることができます。
浄土宗の開祖・法然上人は一日に6万回の念仏を唱えたといわれており、浄土宗の数珠は念仏の数をたくさん数えるのに適した形になっております。

浄土宗には他にも僧侶が法要などに使用する修法数珠や荘厳数珠、大勢で輪になって繰る巨大な百万遍数珠などの特殊な数珠があります。

浄土真宗(本願寺派・大谷派)

特徴…宗祖は親鸞。総本山は西本願寺(本願寺派)・東本願寺(大谷派)。
ご本尊は阿弥陀如来のみ。

阿弥陀如来を信じて全てをゆだねることで、どんな人も必ず死後に阿弥陀如来の極楽浄土に仏として生まれる事が出来るという教えです。

浄土真宗は江戸時代に本願寺派と大谷派に分裂しましたが、両者の教義上の違いはほとんどありません(作法や仏具に多少の違いがあります)。

日本で一番信者数が多い仏教宗派です。

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浄土真宗の数珠

数珠…男性は主に片手念珠(略式数珠)を使い、女性は108珠の数珠を二重にして使います。
念仏の回数ではなく、信心が大切だとされ煩悩(ぼんのう)を持った人も救われると考えられています。
そのため念仏の数を数えたり煩悩を消滅させるために数珠を繰ることはしません。

数珠を繰ることができないよう、房が蓮如(れんにょ)結びになっていることも特徴です。
※煩悩…苦しみの原因となり、悟りを邪魔する悪い心。その数は108あるとされる(数珠の珠の数と同じ)

臨済宗・曹洞宗

特徴…臨済宗の宗祖は栄西。総本山は妙心寺(妙心寺派)、ご本尊は釈迦如来など。
曹洞宗の宗祖は道元。総本山は永平寺、ご本尊は釈迦如来など。

臨済宗・曹洞宗は座禅を修行の中心としていることから禅宗とも呼ばれます。
自分の心とむきあい、自分の本質を追及することで迷いのない悟りの境地に至ることが出来ると考えられています。
曹洞宗は師と弟子の問答を繰り返しながら世の中の真理について深く考えることを重視し、臨済宗は雑念を払いひたすら座禅することを重視しています。

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左が臨済宗の数珠・右が曹洞宗の数珠

数珠…108珠の数珠を二重にして使います。親玉は1つです。
房は弟子玉がつかずシンプルなつくりです。臨済宗と曹洞宗の数珠はほとんど違いがありません。
ただし曹洞宗だけ数珠に金属の輪が通っています。
念仏よりも座禅などの修行を重んじるので、他の宗派ほど数珠に細かい規定はありません。

日蓮宗

特徴…宗祖は日蓮。総本山は久遠寺。ご本尊は大曼荼羅など

法華経を唯一最高の経典だと考え、南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)という題目(お経のタイトル)を唱えることで自ずと悟りが得られ、全ての人々が成仏できると説いています。

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日蓮宗の数珠

数珠…108珠の数珠を二重にして使います。
親玉は2つです。
親玉の片方からは2本、片方からは3本の房が出ているのが特徴です。

三本のうち一つには数取玉(かずとりだま)と呼ばれる10粒の珠がついており、唱題(南無妙法蓮華経というお経の題目をとなえること)の数を数えるのに使用します。

日蓮宗では特に正式な数珠を使用することを重んじているので、できれば本式数珠をもつことが望ましいといわれています。

終わりに

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本式数珠は、それぞれの宗派で形が工夫されており、念仏への考え方や作法の違いが反映されています。

本式数珠こそが本来の数珠であるという考えから、若いうちは略式数珠を使用していても、年齢を重ねてからきちんとした本式数珠を購入するという人もいるようです。

ご先祖さまから受け継がれてきた宗派の数珠を持つことは、ご先祖さまへの敬いの心を表すことでもあります。お墓参りなどの際にもぜひお持ちください。
本式数珠の使い方については、別のコラムにも記載しております。あわせてそちらもご覧ください。

数珠の持ち方・使い方は?意外と知らないお葬式マナー


執筆者

天然石・パワーストーンブランド Pascle

パスクルは、天然石やパワーストーンの歴史・文化・魅力を届けるブランドです。「一期一会の飾るで彩りを」をコンセプトに、天然石の個性をさまざまな形で伝えるべく、価値ある情報を発信しています。

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