アイオライトの鑑別iolite
パスクルの『アイオライト』の鑑別書
鑑別機関:日本彩珠宝石研究所
鉱物種名 | 宝石名 |
---|---|
天然コーディエライト | アイオライト |
その他 | 色相・透明度 |
記載なし | 黒青色 斑状 半透明石 |
摘要 | |
裸石 | |
パスクル補足 | |
アイオライトの鉱物名は「コーディエライト」。
天然のアイオライトであることが確認できております。 色の改善などの処理は確認されませんでしたので、天然色の宝石です。 |
仕入れを行う際、連またはブレスレットの状態で入荷しております。
パスクルでは、入荷時の連またはブレスレットの中から、無作為でピックアップした粒を鑑別機関に依頼し、鑑別に出しております。
お客様へお届けする商品は、各石ごとに、鑑別に出したものと同仕入れ先の天然石を使用しております。
アイオライトとは
誕生石として知られている「アイオライト」ですが、この「アイオライト」という名称は宝石名であり、鉱物名は「コーディエライト」といいます。
鉱物の研究者であるフランスの地質学者コルディエ氏(P.L.A.Coldier)の名前にちなんで名づけられました。
和名を「菫青石(きんせいせき)」といい、その名の通り菫色のような色合いが特徴の宝石。サファイアに似ていることからウォーターサファイアとも呼ばれます。
アイオライトの特徴 "多色性"
そしてこのアイオライトのもう一つの特徴は、角度を変えて透かすと色が異なって見える「多色性」であることです。青紫や群青色から薄い茶色、透明など角度によって見える色が異なります。
本来、光が石を通過する際、一定の波長の光が吸収されることで、色がついて見えるのですが、アイオライトは方向によって吸収される波長が異なることから色が違って見えます。
この多色性が顕著な事から、アイオライトは『ダイクロアイト(Dichroite)』(二つの色をもつ石)という別名もあります。
またアイオライトの中にはスター効果やキャッツアイ効果を持つものもあり、それらは「スターアイオライト」「アイオライトキャッツアイ」として販売されているケースが見られます。
アイオライトの産地
『アイオライト』はインド、スリランカ、ブラジル、マダガスカル、ミャンマー、タンザニア、カナダ、イギリスなど多くの国々で採掘されています。
一部の産地では、特徴的なアイオライトが産出されます。
アイオライトの産地特徴
- マダガスカル産
- 発色が良く、上質なものは透明感や色合いが美しい。
- インド産
- サイズの大きな原石が採れ、価格も安いと言われています。スター効果の見られるものも。
- スリランカ産
- 全体的に暗めのものや、色が薄く透明感の高いものが見られます。
アイオライトの色
『アイオライト』は青色もしくは青紫をしています。
しかし、角度によってわずかに青みがかった透明に見えたり、
若干褐色がかった透明に見える多色性を持っています。
当店で扱っているアイオライトは、黒青色の中に美しいシラーが見られるアイオライトや美しい菫色が見られる上質なアイオライトです。
一部の産地では、アイオライトとレピドクロサイトが混合した「アベンチュリンアイオライト」も見られます。
【アイオライト/黒青色】
【アイオライト/青紫色】
【アベンチュリンアイオライト/赤茶】
アイオライトの品質・価値
天然石では、色が濃いものがより価値があるとされることが多くありますが、『アイオライト』は宝石としても扱われており、品質には透明度も左右されます。宝石としては提供できない品質のものをパワーストーンとして加工されるのです。
宝石として扱われる『アイオライト』は透明度が高く、濁りや色むらはありません。パワーストーンでも宝石の基準と同じく、くすみや濁りがあるほど、品質は良くありません。
パワーストーンとしての『アイオライト』は、色味が濃いものほど希少なので価値は評価されますが、濁りがあまりにも多いと価値をなくしてしまいます。
宝石として提供できずパワーストーンとされる『アイオライト』には、クラックやインクルージョンはつきものなので、より発色がよく、透明度の高いものほど、高品質とされ、価値があるものとして扱われます。
※アイオライトの中には、内包物にレピドクロサイトなどの鉄分が多く含まれると、一定方向から見たときに真っ赤に見えるため「ブラッドショット・アイオライト」と呼ばれる大変希少な石もあります。
【低品質】
【一般的な品質】
【高品質】
アイオライトの本物・偽物
『アイオライト』は主に青紫色ですが、多色性の石の為、太陽光にかざした際、色に変化がもたらされます。
そのため、色彩変化が見られるかが、一つの目安となります。
実際に「見る角度によって異なる色が見られる」という特徴を偽物として再現することが難しいので偽物は考えにくいです。
当店でも、別の宝石が「アイオライト」として販売されているケースは確認した例はございませんが、とても高価な宝石クオリティのアイオライトを検討されるときは、念のため鑑別書を取られた方が良いと思います。